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【院長監修】たまプラーザで信頼される歯医者になるために大切にしている5つのこと

たまプラーザ駅徒歩3分の「たまプラーザむろき歯科・矯正歯科」院長の室木です。
私が診療の現場で最も大切にしているのは、派手な“何か”ではありません。診断の厳密さ、説明の透明性、低侵襲と予防を軸にした設計、術後経過の可視化、そして安全とチーム運用——この五つを、例外なく、同じ精度で、繰り返すことです。以下では、日々実践している具体的な考え方と手順、判断の基準、そして限界と向き合い方まで掘り下げてお伝えします。医療広告ガイドラインに配慮し、個別の適応や費用は診察後にご案内する前提でお読みください。

 

目次

 

1. 診断ファースト——「治療は診断の質を超えない」を仕組みにする

 

診断は“行為”ではなく“プロセス”です。私は、訴えを一つの原因に短絡させないよう、自分にブレーキをかける仕組みを置いています。まず問診で症状の時間軸と誘因を整理します。冷水でのみ鋭い痛みが走るのか、咬んだときの鈍痛が続くのか、朝方こめかみが重いのか。生活背景——仕事の姿勢、在宅勤務の増加、就寝中の口呼吸や歯ぎしり、薬歴や既往歴——も同列に扱います。問診だけで治療方針を決めないための“時間”を確保することが、第一歩です。

視診では乾燥させた状態でエナメルの白濁やクラックラインの走行を観察します。触診・咬合紙・咬合力の偏りをみて、咬合性外傷の徴候を拾います。電気歯髄診や冷温刺激は、陽性/陰性の二値ではなく、反応の“質”(遅延、残痛の有無、反応閾値)を記録します。画像は段階を分けます。パノラマで大局観を掴み、必要に応じてデンタル撮影で細部に寄り、根尖病変の境界やマージンの適合、二次う蝕の陰影を確認します。さらに、根形態の複雑さや上顎洞、下顎管との位置関係が問題になる場合には歯科用CTを追加し、三次元で安全域とリスクを見極めます。画像は“答え”ではなく、仮説を強めたり捨てたりする“証拠”です。

噛み合わせ・筋・関節は必ず触れます。咬合平面の傾き、下顎運動の偏位、関節雑音や圧痛、咬筋・側頭筋の緊張は、歯の痛みや修復物の寿命に影響します。一本の歯を救うために、歯列や顎位まで見立てを拡げる。ここで、どこまで整えると再発確率が下がるか、逆に触れないほうが良い領域はどこか、治療の“射程”を定めます。診断を“個人の勘”にしないために、初診時の所見テンプレートと写真・画像の保存、再評価時の比較フォーマットを医院の標準にしています。

 

2. 説明の透明性と共同意思決定——不確実性を含めて“同じ景色”を見る

 

説明は、患者さんに“選んでいただく”ための設計図の共有です。私は、所見・選択肢・留意点・費用・時間、この五つを一続きの話としてお伝えします。例えば、根尖に透過像を伴う咬合時痛の歯では、根管治療の成功率や回数の見込み、穿孔や器具破折などリスクの可能性、再治療の難しさと抜歯に切り替える基準、抜歯後のブリッジ・インプラント・義歯それぞれの長所と注意点まで、先の分岐を“地図”として並べます。

このとき、不確実性は包み隠さず言語化します。“やってみなければ分からない”局面は歯科に少なくありません。重要なのは、分からなさの範囲と、分からなかったときにどうするかの道筋まで先に合意しておくことです。医療は、ときに患者さんの生活や価値観と折り合いをつける行為です。審美の優先度、痛みに対する耐性、来院可能な曜日と時間、治療に割ける期間と予算、将来の設計(妊娠・出産、留学、転勤)——これらを“優先順位”に翻訳し、現実的な計画を一緒に選びます。説明内容はカルテと配布資料に要点を残し、数週間後に読み返しても同じ判断が再現できる状態をつくります。

 

3. 低侵襲と予防中心の設計——再発させないための段取りと臨床技法

 

低侵襲とは「何もしない」ことではありません。介入すべき局面で“必要十分に、的確に行う”ことです。初期う蝕の白濁が限局しており、プラークコントロールや間食習慣の是正、フッ化物応用で再石灰化が期待できる場合は、削らず経過を見ます。逆に、陥凹を伴い象牙質に及ぶ進行が確認できるなら、迷わず小さな窩洞で確実に封鎖します。ラバーダムやアイソレーションで唾液を遮断し、接着の基本(表面処理、適切な照射、酸処理時間の遵守)を外さないことが、長持ちの“地味な秘訣”です。

根管治療では、拡大・洗浄・封鎖の三位一体を守ります。根尖孔付近での過剰拡大は避け、洗浄は機械的・化学的な双方を丁寧に。湾曲根では無理にストレートラインアクセスを取りに行かず、破折や穿孔のリスクを最小化します。封鎖後は咬合の再評価を行い、外傷性咬合が影響していた場合は咬合面の調整やスプリントの導入まで踏み込みます。

補綴では、清掃性とメンテナンス性を設計に織り込みます。マージンは周囲歯肉の厚みと清掃環境を見て位置を決め、歯間部はフロスが通る形とスペースを確保します。見た目の均整が美しいだけでは“良い補綴”ではありません。メンテナンスで“守りやすい形”であることが条件です。

矯正は、見た目の整列だけではなく、機能と清掃性の改善まで含めた“再発予防策”です。装置の種類は万能ではありません。診断に基づき、必要なら固定式と可撤式を使い分け、保定期の現実(夜間の装着、期間、固定式の併用可否)まで先に共有します。

歯周治療は、プラークコントロールとプロフェッショナルケアの“二本柱”を外しません。プロービング値の変化、出血の減少、付着の回復といった指標を患者さんと同じ画面で見て、どこで維持に移るか判断します。生活背景——喫煙、糖尿病、口呼吸、睡眠時無呼吸の疑い——は、治療結果と直結します。必要に応じて医科との連携も視野に入れます。

 

4. 術後フォローの可視化——点ではなく“線”で健康を守る運用

 

処置の成功は、当日の手応えでは評価できません。私は、経過を“見える形”で並べることを重視します。根管治療後は、一定の間隔でレントゲンを撮影し、透過像の縮小や辺縁の硬化を時系列で比較します。歯周ではポケットの数値、出血点の分布、プラークの付着状況を同じフォームで追い、写真で炎症の色調の変化も記録します。審美領域の補綴やホワイトニングでは、色調見本と撮影条件を揃え、評価のブレを減らします。矯正中は、歯肉の腫脹や白斑の兆しを早期に拾い、清掃指導の強度を上げたり装置の運用を微調整したりします。

生活との両立も、可視化の一部です。受験が迫る、出張が続く、妊娠・授乳期に入る——来院間隔や処置の刻み方、痛みが出やすい工程の前倒しや後ろ倒しなど、運用の柔軟性を共有します。私が意識しているのは“早く・小さく・簡潔に”手当てすること。欠けや違和感、腫れは、早期に介入できれば大掛かりな処置を避けられることが少なくありません。連絡のタイミングと手段、緊急度の目安は初期に説明し、ためらいなく相談できる関係を作ります。

 

5. 安全・衛生・チーム医療——当たり前を続けるための標準化

 

清潔と安全は“空気”ではなく“工程”です。器具は洗浄・超音波洗浄・乾燥・包装を経て、オートクレーブで滅菌します。インジケーターの確認は形だけにせず、ロット管理で記録に残します。ユニットや周辺環境の清拭、バリアの交換、手指衛生のタイミングは、誰が担当しても同じ品質になるよう手順化しています。ディスポーザブルは“使い回さない”を徹底し、コストと清潔を天秤にかけない文化を守ります。

医療安全は、準備・記録・振り返りの三段で回します。既往歴、内服薬、アレルギー、甲状腺や骨代謝を含む医科情報、妊娠・授乳の状況は、処置の内容やタイミングに直結します。抜歯や鎮静を含む処置では、事前の同意、術中のバイタルや投薬記録、術後の注意事項まで一連の流れを標準化し、逸脱があればすぐに共有して修正します。私たちは、すべてを自院で完結させることを目的にしません。口腔外科、矯正、小児、医科の先生方と連携し、患者さんの利益になるなら、より適切な場所へタイミングを逃さずお繋ぎします。

チーム運用では、担当衛生士制を採用しています。毎回同じ衛生士が口腔衛生・道具選び・生活習慣を並走し、私は診断と処置計画に集中します。担当者が変わらないことは、細かな変化に気づく“感度”を上げ、患者さんの継続率を押し上げます。定期のカンファレンスでは、難症例やトラブル事例を曖昧にせず、画像と所見を前提に振り返ります。反省は“個人の努力”に戻さず、手順と教育に落とす。これが標準化の本質です。

 

まとめ

 

信頼は、特別な一手で得るものではありません。正確な診断、透明な説明、低侵襲と予防の設計、術後の可視化、安全とチーム運用——この五つを、日々の診療で同じ精度で繰り返すこと。その地味な積み重ねが、結果として“後悔しにくい歯科体験”につながります。もし今、迷っている症状や不安があれば、治療の前段階で構いません。現状の評価と選択肢の整理からご一緒しましょう。たまプラーザで“長く付き合える歯科”をお探しの方を、私たちは歓迎します。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

室木 貴行 | Muroki Takayuki

北海道大学歯学部を卒業後、恵愛歯科および笠原歯科に勤務。その後、笠原歯科人形町で院長として勤務し、1998年にむろき歯科医院を開業、さらに分院としてふぁみりあ歯科を開業

 

【略歴】

 

【所属団体】

 

たまプラーザ駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科

たまプラーザむろき歯科・矯正歯科

住所:神奈川県横浜市青葉区新石川3-4-18

TEL:045-912-2633

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