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【歯科医が解説】子どもの虫歯予防は「生え始め」が勝負!シーラントとフッ素で歯を守る方法

「毎日仕上げ磨きをしているのに、虫歯ができてしまった」

「フッ素を塗っていれば安心だと思っていた」

 

お子さまの虫歯が見つかった時、多くの保護者様は「自分の管理が足りなかったのではないか」と責任を感じてしまわれます。

しかし、子どもの歯は大人に比べてエナメル質が薄く柔らかいため、一度虫歯になると進行が早く、大人の基準だけでは守りきれないことがあります。

 

たまプラーザむろき歯科・矯正歯科、院長の室木です。

子どもの虫歯予防には、「生え変わりのタイミング」に合わせたプロの介入が非常に効果的です。

 

特に、生えて間もない奥歯の溝を埋める「シーラント」や、歯質を強化する「フッ素塗布」は、適切な時期に行うことでその効果を最大限に発揮します。

この記事では、お子さまの大切な歯を一生守るために、歯科医院で何ができるのか、そしてご家庭で何に気をつければ良いのかを、年齢別のステップに分けて具体的にお話しします。

 

目次

 

1. なぜ子どもの歯は虫歯になりやすい?「魔の3タイミング」

生えたばかりの子どもの歯(乳歯や生え立ての永久歯)は、いわば「柔らかい状態」です。唾液中のカルシウムなどを取り込んで、数年かけて硬く成熟していきますが、その間は酸に弱く、非常に虫歯になりやすい状態です。

 

特に以下の3つのタイミングはリスクが急上昇します。

  • 第一大臼歯(6歳臼歯)が生える頃: 一番奥に生えるため歯ブラシが届きにくく、しかも咬合面の溝が深く複雑なため、汚れが溜まりやすい場所です。
  • 生え変わり期: 乳歯と永久歯が混在し、歯並びがデコボコになるため、磨き残しが増えます。
  • スポーツや習い事が増える時期: スポーツドリンクや補食(おやつ)の摂取機会が増え、お口の中が酸性に傾く時間が増加します。

 

2. 奥歯の溝をバリアで守る「シーラント」の効果と適応時期

奥歯の噛み合わせの面には、歯ブラシの毛先さえ入らないほどの細くて深い溝があります。ここは虫歯菌の絶好の住処です。

「シーラント」とは、この溝をあらかじめ樹脂で埋めてしまい、物理的に汚れが入らないようにする予防処置です。

  • 最適な時期: 第一大臼歯(6歳臼歯)が生えて、まだ溝が深いうち(小学校1〜2年生頃)が最も効果的です。乳歯の奥歯にも行うことがあります。
  • 注意点: 削らずに行う処置なので痛みはありませんが、永久的なものではありません。噛み合わせで欠けたり取れたりすることがあるため、定期検診でのチェックとメンテナンスが必要です。

※シーラントをしたからといって、歯磨きをしなくて良いわけではありません。歯と歯の間の虫歯は防げないので、フロスは必須です。

 

3. 歯を強くする「フッ素塗布」の正しい知識と通院頻度

フッ素には「エナメル質を強くする」「初期虫歯を修復する(再石灰化)」「菌の活動を抑える」という3つの働きがあります。

特に生えたての歯はフッ素を取り込みやすいため、この時期の塗布は将来の歯質強化に直結します。

  • 通院頻度: 通常は3〜4ヶ月に1回のペースで高濃度のフッ素を塗布します。虫歯リスクが高いお子さまの場合は、1〜2ヶ月ごとの塗布をお勧めすることもあります。
  • 家庭でのフッ素: 毎日の歯磨き粉もフッ素入りのものを使いましょう。年齢に応じた適量(切った爪程度〜豆粒大)を使い、うがいは少なめにすることで、お口の中にフッ素を残すのがコツです。

 

4. 虫歯ゼロを目指す「家庭ケア」3つの鉄則

毎日磨いているのに虫歯になる場合、磨き方の「ポイント」がずれていることが多いです。

  • 当て方: 歯ブラシを歯に対して垂直、または少し斜めに当て、小刻みに動かします。ゴシゴシ大きく動かしても汚れは落ちません。
  • フロスの習慣化: 歯と歯の間の汚れは、歯ブラシでは取れません。特に奥歯の間は虫歯の好発部位です。1日1回、夜寝る前に必ずフロスを通してください。
  • 仕上げ磨き: 小学校中学年くらいまでは、保護者の方による仕上げ磨きが必要です。お子さまの自立を促しつつ、最後は必ず大人が「点検」してください。

 

5. おやつは「量」より「回数」。虫歯を作らない食習慣

砂糖の量も大切ですが、それ以上に重要なのが「食べる頻度(回数)」です。

お口の中は、何かを食べると酸性になり歯が溶け始め(脱灰)、時間が経つと唾液の力で中性に戻り修復されます(再石灰化)。

 

アメやグミ、ダラダラ飲み続けるジュースやスポーツドリンクは、常にお口の中を酸性の状態にしてしまい、修復する時間が取れません。

「おやつは1日1回」「飲み物は水かお茶」というルールを作るだけで、虫歯リスクは劇的に下がります。

 

6. 年齢別・予防通院プラン(幼児〜小学生)

  • 乳幼児期(歯が生え始めたら): 歯医者さんに慣れることからスタート。保護者の方へ仕上げ磨きのコツをお伝えします。
  • 4〜6歳(乳歯列完成期): 歯と歯の間が詰まってくる時期です。フロスの練習を始め、フッ素塗布で歯質を強化します。
  • 6〜8歳(生え変わり初期): 6歳臼歯が生えてきます。シーラントのゴールデンタイムです。生えかけの歯は特に汚れやすいので、念入りなケアが必要です。
  • 9〜12歳(生え変わり後期): 自分磨きへの移行期ですが、まだ手技は未熟です。染め出し液を使って磨き残しをチェックし、自分自身で管理できる力を育てます。

 

7. よくある質問とつまずきやすいポイント

Q. シーラントをすれば、もう虫歯になりませんか?

A. いいえ、溝からの虫歯は防げますが、歯と歯の間や歯ぐきの境目の虫歯は防げません。日々のケアは変わらず必要です。

 

Q. フッ素は体に害はありませんか?

A. 歯科医院で使用する量や、歯磨き粉に含まれる量は、用法を守れば全く問題ありません。過度な飲み込みに注意しながら適切に使用します。

 

Q. マウスウォッシュは効果がありますか?

A. 補助的には有効ですが、汚れそのものを落とす力はありません。まずはブラシとフロスで物理的に汚れを落とすことが先決です。

 

8. 院長のこだわり:お子さまの成長に寄り添う「担当制」予防

たまプラーザむろき歯科・矯正歯科では、お子さま一人ひとりに担当の歯科衛生士がつき、成長に合わせて長期的にサポートします。

「学校でこんなことがあったよ」「習い事が忙しくなった」

そんな会話の中から、生活スタイルに合わせた無理のない予防プランをご提案します。

 

「歯医者さんは怖いところではなく、歯を強くしてくれる楽しい場所」

お子さまにそう思っていただけるよう、スタッフ一同、優しく丁寧な対応を心がけています。

大切なお子さまの歯を、私たちと一緒に守り育てていきましょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

室木 貴行 | Muroki Takayuki

北海道大学歯学部を卒業後、恵愛歯科および笠原歯科に勤務。その後、笠原歯科人形町で院長として勤務し、1998年にむろき歯科医院を開業、さらに分院としてふぁみりあ歯科を開業

 

【略歴】

 

【所属団体】

 

たまプラーザ駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科

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住所:神奈川県横浜市青葉区新石川3-4-18

TEL:045-912-2633

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