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【歯科医が解説】歯ぐきの出血・口臭を根本から解決するための「歯周病ケア」完全ガイド

「歯磨きをするたびに、うがいの水が赤くなる」 「マスクをしていると、自分の口の臭いが気になる」

 

こうしたお悩みは、決して珍しいことではありません。

多くの患者さまが、最初は「疲れのせいかな?」と見過ごしてしまい、症状が進んでから「実は…」と相談に来られます。

 

出血や口臭の原因のほとんどは、「歯周病(歯肉炎・歯周炎)」によるものです。

歯周病は、放置すれば歯を失う原因になる恐ろしい病気ですが、正しい知識を持ち、適切なケアを行えば、確実に改善できる病気でもあります。

 

たまプラーザむろき歯科・矯正歯科、院長の室木です。

この記事では、なぜ血が出るのか、なぜ臭うのかという根本的な原因から、ご自宅で今日からできる対策、そして歯科医院で行う専門的な治療の流れまで、わかりやすく解説します。

諦める前に、まずはご自身の口の中で何が起きているのかを知ることから始めましょう。

 

目次

 

1. 血が出る・臭う。その時、口の中で起きていること

健康な歯ぐきはピンク色で引き締まっており、歯磨き程度で出血することはありません。

出血があるということは、歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に炎症が起きている、つまり体からの「SOSサイン」です。

  • 出血のメカニズム: 歯垢(プラーク)という細菌の塊が溜まると、体が細菌と戦うために血液を集め、歯ぐきが腫れます。腫れた組織は非常に脆いため、歯ブラシが当たるだけで簡単に出血してしまうのです。
  • 口臭の原因: 歯周病菌が活動する際や、炎症による膿、出血などが混ざり合うことで、「メチルメルカプタン」などの独特な臭い成分(揮発性硫黄化合物)が発生します。これが口臭の主な正体です。

つまり、出血と口臭を止めるには、消臭スプレーやうがい薬でごまかすのではなく、「炎症の原因である細菌(プラークと歯石)を取り除くこと」が唯一の解決策です。

 

2. 「様子見」はNG?今すぐ受診すべき危険サイン

「少し血が出るくらいだから大丈夫」と思っていませんか?

以下の症状がある場合は、すでに歯周病が中等度以上に進行している可能性があります。早めの受診をお勧めします。

  • 歯磨きのたびに出血する
  • 歯ぐきが赤紫っぽく腫れている
  • 朝起きた時、口の中がネバネバして気持ち悪い
  • 歯が浮いたような感じで、硬いものが噛みにくい
  • 歯が長くなった気がする(歯ぐきが下がった)
  • 歯がグラグラ揺れる

特に、痛みや腫れ、排膿(膿が出る)がある場合は、急性炎症を起こしている状態ですので、当日中の受診をご検討ください。

 

3. 敵を知ることから。初診時の検査で見えるもの

治療を始める前に、まずは「どこが」「どれくらい」悪いのかを正確に把握する必要があります。当院では以下の検査を行います。

  • 歯周ポケット検査(プロービング): 歯と歯ぐきの間の溝の深さを測ります。健康なら1〜2mmですが、4mm以上あると歯周病の可能性が高くなります。
  • 出血の有無: ポケットの測定時に出血がある場所は、現在進行形で炎症がある場所です。
  • レントゲン撮影: 歯を支えている骨が溶けていないかを確認します。歯周病は「骨の病気」でもあるため、見えない部分のチェックが不可欠です。

これらの検査結果は数値やイラストで記録し、患者さまにも分かりやすく説明します。

 

4. 歯周病治療のスタートライン:プラークコントロールと歯石除去

歯周病治療の基本は、「原因の除去」です。

  • スケーリング(歯石除去): 歯の表面に固着した歯石は、歯ブラシでは取れません。専用の器具を使って徹底的に除去します。
  • ルートプレーニング: 歯ぐきの中(歯根の表面)についた汚染物質を取り除き、ツルツルに仕上げて汚れが再びつきにくい環境を作ります。

痛みが苦手な方には、麻酔を使用して無痛下での処置も行いますので、ご安心ください。

 

5. 「磨いている」と「磨けている」は違う。プロが教えるホームケア

歯科医院での治療(プロケア)と同じくらい、いやそれ以上に重要なのが、ご自宅での毎日の歯磨き(セルフケア)です。

しかし、自己流の磨き方では、汚れの6割程度しか落ちていないと言われています。

  • 道具選び: 歯ブラシの毛先は「ふつう」か「やわらかめ」を選びましょう。硬すぎると歯ぐきを傷つけます。
  • 当て方: 歯と歯ぐきの境目に「45度」の角度で毛先を当て、小刻みに優しく動かすのがコツです。
  • 必須アイテム: 歯ブラシだけでは歯間の汚れは取れません。「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」を必ず併用してください。

当院では、担当の歯科衛生士が患者さまのお口に合った道具を選び、実際に手を動かしながら磨き方のコツを伝授します。

 

6. 治った後が本当の勝負。再発を防ぐ通院プラン

歯周病治療が終わって「治った!」と安心して通院をやめてしまうと、数ヶ月で元の状態に戻ってしまうことがよくあります。

一度歯周病になった方は、再発しやすいリスクを持っています。

  • メインテナンス(定期検診): 通常は3ヶ月に1回程度のペースで通院していただき、プロによるクリーニングと検査を行います。

    ご自身では取りきれないバイオフィルム(細菌の膜)を破壊し、お口の中をリセットします。

  • リスクに応じた間隔: 喫煙される方、糖尿病などの持病がある方、磨き残しが多い方は、1〜2ヶ月ごとの短い間隔をご提案することもあります。逆に、状態が非常に安定していれば4〜6ヶ月に延ばすことも可能です。

 

7. よくある誤解:「出血するから触らない」は間違い?

「血が出るのが怖いから、そこは避けて磨いています」とおっしゃる方がいますが、これは大きな間違い(逆効果)です。

 

出血するのは、そこに汚れが溜まって炎症があるからです。

血が出る場所こそ、優しく、しかし確実にブラシを当てて汚れを落とさなければなりません。正しい磨き方を続けると、1〜2週間ほどで歯ぐきが引き締まり、自然と出血は止まります。

(※ただし、強くゴシゴシ擦るのはNGです。正しい圧で磨くことが大切です)

 

8. 院長のこだわり:データを「見える化」してモチベーションを守る

歯周病治療は、患者さまの協力なしには成立しません。しかし、変化が見えにくいとモチベーションを保つのが難しいものです。

 

たまプラーザむろき歯科・矯正歯科では、検査結果(ポケットの深さや出血の割合)を数値やグラフで「見える化」し、前回の状態と比較できるようにしています。

「前回よりポケットが浅くなりましたね!」「出血が減っていますよ」と一緒に喜びを分かち合うことで、患者さまが前向きに治療に取り組めるようサポートします。

 

出血や口臭は、治せる症状です。

一人で悩まず、まずは一度ご相談ください。私たちと一緒に、自信を持って笑える健康な口元を取り戻しましょう。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

室木 貴行 | Muroki Takayuki

北海道大学歯学部を卒業後、恵愛歯科および笠原歯科に勤務。その後、笠原歯科人形町で院長として勤務し、1998年にむろき歯科医院を開業、さらに分院としてふぁみりあ歯科を開業

 

【略歴】

 

【所属団体】

 

たまプラーザ駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科

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住所:神奈川県横浜市青葉区新石川3-4-18

TEL:045-912-2633

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