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【子どもの歯並び】たまプラーザで小児矯正を始めるタイミングと費用の目安とは?

たまプラーザ駅徒歩3分の「たまプラーザむろき歯科・矯正歯科」です。
「いつから矯正を始めるべき?」「何歳まで待っていい?」「いくらぐらいかかる?」——小児矯正の相談で必ず出てくる三大テーマです。結論から言えば、開始時期は「年齢だけ」で決めるのではなく、顎の成長段階・呼吸や嚥下の癖・歯列と骨格の不調和の程度を総合して判断します。費用も、治療の目的と方法、期間によって幅が出ます。本稿では、歯科医師の立場から開始の見極め方、年齢別の考え方、治療の選択肢、費用の考え方を、医療広告ガイドラインに配慮してわかりやすく整理します。

 

目次

 

1. 小児矯正とは:何を目指す治療か

 

小児期の矯正は、ただ歯を「きれいに並べる」だけでなく、顎の成長方向の誘導や口腔機能(鼻呼吸・舌の動き・嚥下・発音)の改善を含め、将来の永久歯列の土台を整える目的を持ちます。歯の土台である骨の成長が残っている時期は、成長力を利用して抜歯回避や外科回避の可能性を広げられる一方、成長のピークを逃すと同じ効果を得るのが難しくなります。

小児矯正は一般にI期治療(混合歯列期の骨格・機能の是正)とII期治療(永久歯列での仕上げ)に分けて考えますが、全員が二段階を必要とするわけではありません。診断により最適な道筋を決めていきます。

 

2. いつ始める?——「年齢」より「サイン」で見る開始タイミング

 

開始時期は年齢の数字ではなく、サインの出方で判断します。例えば、口呼吸が続く、舌を前に突き出して飲み込む、上下の前歯が開いて噛み合わない、上の前歯が極端に前突して転倒時に折れやすい、下顎の偏位で咬み合わせが左右どちらかにずれている、乳歯列からすでに歯の重なりが強い——こうしたサインは、骨格や機能の介入が早いほど効果的であることが多い領域です。

一方、前歯の軽度の重なりだけで、顎幅や機能に明らかな問題がない場合は、経過観察をしながら自然な交代期を待つ選択も合理的です。大切なのは「今、何を整えると将来の選択肢が広がるか」を見極めることです。

 

3. 年齢別の考え方:幼児〜小学生〜中学生

 

幼児期(〜6歳)
歯並びそのものよりも、鼻呼吸・舌位・姿勢などの機能づけが重要です。指しゃぶりや口唇を咬む癖、口が開きがちな習慣は、将来的に開咬や上顎前突の一因となりえます。保護者と一緒に生活習慣を整えることが、後の治療難易度を下げます。

混合歯列前期(6〜9歳)
上顎の側方拡大や下顎の成長誘導など、骨格的・機能的介入の適期に入りやすい時期です。交叉咬合(片側で上の奥歯が内側に噛み込む)や反対咬合傾向、重度の叢生の芽は、この時期に整えると第二大臼歯萌出以降の安定性が高まります。

混合歯列後期〜永久歯列移行期(9〜12歳)
犬歯や小臼歯の生え替わりで、叢生や出っ歯・過蓋咬合・開咬の傾向がはっきりします。I期で土台を整えつつ、II期に向けた仕上げの設計へ。運動や学校生活との両立を見据え、装置の選択・通院間隔を個別化します。

思春期以降(12歳〜)
永久歯列での仕上げ矯正(II期)が中心。骨格成長の残り具合を評価しつつ、ワイヤーやマウスピース型、必要に応じて補助的手段を併用します。骨格的不一致が大きい場合は、外科的矯正の適応可否を含めて説明します。

 

4. 診断の流れ:検査で見るポイント

 

初診相談では、お子さまの気になる点や日常の様子(睡眠時の口呼吸、いびき、食事や発音の癖、姿勢、スポーツ活動)まで伺います。

次に、顔貌・口腔内写真、歯列模型(または口腔内スキャン)、パノラマX線、必要に応じて歯科用CTやセファロ(側貌頭部X線)で、顎骨・歯軸・歯根の位置、気道や上顎洞の形態、咬合平面や上下顎の前後関係を立体的に評価します。

診断では、単に「歯が並ぶ/並ばない」ではなく、なぜ並ばないのか(骨格・機能・習癖・スペース不足)を分解して、どの順番で何を整えると合理的かを可視化し、保護者と共有します。

 

5. 主な治療の選択肢と特徴

 

装置は目的と年齢で選びます。取り外し式の機能的装置や拡大装置は、顎幅や舌房の確保、鼻呼吸の促進、嚥下の再学習に有効なことがあります。固定式の急速拡大装置は、上顎幅の不足に対して成長期に限って効果を期待でき、交叉咬合の是正に寄与します。

歯の位置関係を仕上げる局面では、部分的なワイヤー矯正や、適応を満たす場合にはマウスピース型装置が役立つこともあります。装置ごとのメリット・デメリット(見た目、清掃性、発音や食事への影響、装着協力度、故障リスク)を具体的に説明し、学校生活と両立できる運用を一緒に設計します。

 

6. 費用の目安と考え方(医療費控除・分割の視点含む)

 

費用は治療目的・装置の種類・期間・通院頻度で変動します。ここでは一般的な考え方を示します(当院の具体的な費用は診断後に個別にご案内します)。

初診相談・精密検査費用:診断に必要な写真・X線・スキャン等。

I期治療(混合歯列期):機能的装置・拡大装置などで骨格や機能を整える段階。装置が1〜数種類にわたる場合があります。

II期治療(永久歯列の仕上げ):ワイヤーまたはマウスピース型で並びと咬合を仕上げる段階。

調整・管理費:来院ごとの調整や観察にかかる費用。

保定(リテーナー):治療後の安定化装置と観察。

学齢や治療範囲によって総額は広く変わります。医療費控除の対象となる場合があり、領収書の保管や年間合算の方法も初診時にご説明します。分割のお支払いをご希望の場合は、院内の規定に沿ってご提案します。

 

7. 期間・通院・学校生活への影響

 

I期は半年〜2年前後で区切りをつけることが多く、II期は1年半前後〜がひとつの目安です(症例差があります)。通院は月1回程度が標準ですが、装置や生活リズムに合わせて調整します。

学校生活では、体育や管楽器、受験勉強の時期などを踏まえ、装置の選択・交換スケジュール・痛みのピーク対策を前もって共有します。口内炎や装置の違和感は初期に出やすいものの、多くは数日で馴染みます。清掃は保護者の見守りが結果を左右します。就寝時の鼻呼吸や舌の位置づけは、矯正後の安定性にも直結するため、機能訓練(MFT)を併行して行うことがあります。

 

8. よくある誤解と注意点

 

「早く始めれば必ず良い」「遅いともう間に合わない」という二極化は誤解です。介入の適期は“治したい原因”ごとに異なるため、何を目的にどの時期に何をするかを明確にすることが大切です。

また、装置の種類=治療の良し悪しではありません。同じ装置名でも、診断と設計、装着協力、清掃・機能訓練の併走が結果を大きく左右します。むし歯や歯肉炎がある状態での矯正は、トラブルの原因となるため、予防と治療を先に整えるのが原則です。

 

9. 当院の取り組み:成長を味方に「整えて守る」小児矯正

 

当院は、小児矯正を予防歯科・口腔機能育成(口呼吸・舌癖の是正)・むし歯管理と一体で設計します。精密検査で骨格と歯列を立体的に評価し、成長の窓を見極めて過不足のない介入を提案します。装置の運用だけに依存せず、衛生士によるメンテナンスとMFTで日常の習慣を整え、治療の安定につなげます。

また、I期で十分に整えばII期を最小限に、II期が必要な場合は通いやすい間隔と負担感の少ない運用を重視します。親知らずや虫歯治療などが必要になった際も、院内連携でスムーズに対応します。

 

10. まとめ

 

小児矯正の「最適な開始時期」は、年齢の数字ではなく、現れているサインと成長段階で決まります。今整えるべきは骨格か、機能か、歯の位置か——目的を明確にして順序立てれば、将来の選択肢は広がります。費用は治療の目的・方法・期間で変わるため、まずは現状を見える化し、無理のない計画と運用をご家族と一緒に組み立てていくことが肝心です。迷ったら、評価と選択肢の整理だけでもお気軽にご相談ください。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

室木 貴行 | Muroki Takayuki

北海道大学歯学部を卒業後、恵愛歯科および笠原歯科に勤務。その後、笠原歯科人形町で院長として勤務し、1998年にむろき歯科医院を開業、さらに分院としてふぁみりあ歯科を開業

 

【略歴】

 

【所属団体】

 

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住所:神奈川県横浜市青葉区新石川3-4-18

TEL:045-912-2633

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