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たまプラーザで土曜日に診療可能な歯医者をお探しの方へ|当院の診療体制とは?

たまプラーザ駅徒歩3分の「たまプラーザむろき歯科・矯正歯科」です。親知らず(第三大臼歯)は、必ず抜くものでも、必ず残すべきものでもありません。生えている向きや深さ、清掃のしやすさ、顎の骨や神経との位置関係、そして将来のリスクまでを含めて総合的に判断し、抜歯か経過観察かを決めていきます。インターネット上にはさまざまな情報が氾濫していますが、過度に恐れる必要はありません。大切なのは、現状を正確に把握し、医学的根拠にもとづいた段取りで安全に進めることです。ここでは、受診前の準備から術後の過ごし方まで、歯科医師の視点で要点を解説します。

目次

抜くか残すかをどう決めるのか

判断の軸は二つあります。ひとつは現在の清掃性です。半分だけ顔を出した親知らずは歯ぐきのフード状の部分に汚れが溜まりやすく、腫れや痛み(智歯周囲炎)を繰り返すことがあります。もうひとつは将来リスクで、手前の第二大臼歯をむし歯や歯周病にしやすい傾きや位置にある場合、症状がなくても予防目的で抜歯を検討します。まっすぐ生え、ブラッシングが十分に行き届き、周囲の歯や歯ぐきに悪影響がないケースでは経過観察が合理的なことも少なくありません。矯正治療やインプラント・ブリッジの長期安定に与える影響も加味して、患者さんの生活計画とすり合わせながら方針を決めます。

受診前に整えておきたいこと

初診では現在の症状だけでなく、全身の状態を丁寧にうかがいます。服用中のお薬(抗凝固薬・抗血小板薬、骨粗鬆症治療薬、糖尿病薬、ステロイド、免疫抑制薬など)、アレルギーの有無、心臓・肝臓・腎臓のご病気や自己免疫疾患の既往は安全な抜歯に直結する情報です。妊娠・授乳中の方はレントゲン検査や投薬の扱いが変わるため、必ずお知らせください。
時期の選び方も意外に重要で、腫れやすい48〜72時間を避けて大切な予定や長距離移動を組むと、日常生活の支障を最小限にできます。急性の炎症が強い時期は、鎮静化を待ってから抜歯した方が結果が良いこともあります。

難易度を決める「解剖」と画像診断

親知らず抜歯の難易度は、歯が骨の中でどのように位置しているかで大きく変わります。下顎では歯の根と下歯槽神経管の距離や交差の有無、上顎では上顎洞との位置関係がポイントです。根が曲がっていたり分岐していたり、歯冠が深く埋まっていたり、開口量が少なかったりすると、術式の工夫が必要になります。こうしたリスクを見落とさないために、まずはパノラマX線で全体像を把握し、必要に応じて歯科用CTで三次元的に評価します。
画像を一緒に見ながら「どのように抜くと負担が少ないか」「どの合併症に注意が必要か」を言葉だけでなく視覚的にも共有し、同意の上で進めます。

抜歯当日の進行と麻酔の考え方

当日は、事前に説明した計画を再確認し、同意書をご署名いただいてから開始します。まず表面麻酔で針の刺激を和らげ、浸潤麻酔や伝達麻酔で痛みをきちんと遮断します。麻酔が十分に効いていることを確認した上で、歯ぐきに小さな切開を加え、必要最小限の範囲で骨を削って視野を確保し、歯を分割して取り出すのが基本的な流れです。
抜去後は創部を洗浄・縫合・圧迫止血を行います。お帰りの前に、出血の扱い、痛み止めの飲み方、冷やし方、うがいの強さ、就寝時の姿勢など、翌日からの生活について改めてご説明します。
静脈内鎮静などの鎮静法が適していると判断される症例では、事前の全身評価や専門機関との連携を含めて安全性を最優先に検討します。

術後の経過と「ふつうに起こること」

多くの方で、処置当日は麻酔が切れた後に鈍い痛みが出はじめ、翌日から翌々日にかけて腫れがピークを迎え、その後ゆっくりと落ち着いていきます。冷却は連続ではなく間欠的に行うと効果的です。
食事は麻酔が確実に切れてから、刺激の少ない温度と硬さのものを反対側で摂ると安心です。ストローは血餅が外れやすくなるため避けてください。
喫煙と飲酒は治癒を遅らせ、合併症のリスクを上げるため、少なくとも数日は控えましょう。

注意して見てほしいサインと合併症への備え

抜歯後に最もよく見られるトラブルが「ドライソケット」です。数日してからズキズキと強い痛みがぶり返し、鎮痛薬が効きにくいのが特徴です。
その他、発赤・腫れの増悪・膿のにおい・高熱・飲み込みづらさなどは感染のサインです。
また、下顎の抜歯では下唇やオトガイ部のしびれ・違和感、上顎では上顎洞との交通に注意が必要です。
「眠れないほどの痛み」「腫れが頬から首へ広がる」「口がほとんど開かない」「出血が止まらない」などの場合は、当日でも必ずご連絡ください。

旅行・イベント・妊娠授乳とスケジュールの立て方

抜歯直後の数日は体調の変動が起こりやすく、旅先での対応が難しいことがあります。可能であれば、長距離移動や大切な行事の直前は避け、余裕のある日程を組むと安心です。
妊娠中・授乳中の方は、安定期に計画するのが無難ですが、やむを得ず痛みや感染が強い場合は、母体と胎児の安全を最優先に必要な対応を行います。

当院の考え方とフォロー体制

私たちは「よく抜く」でも「絶対に抜かない」でもなく、画像と診査にもとづき合理的に選択することを重視しています。
抜歯は終わりではなく、手前の大臼歯を守る予防メンテナンスのスタートでもあります。術後のクリーニングやブラッシング指導、咬み合わせのチェックまで一貫して行い、万一のトラブルにも迅速に対応します。

まとめ

親知らずの扱いは「今の症状」だけで決めてしまうと、後から困ることがあるのが実情です。
画像で現在地を見える化し、清掃性と将来リスク、生活のご事情を含めて最適なタイミングと方法を一緒に選びましょう。
怖がりな方やお忙しい方も、準備と段取りを整えれば十分に安全に終えられます。
判断に迷うときは、まずは現状の評価から。相談だけでもお越しください。

 

少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

 

監修者

室木 貴行 | Muroki Takayuki

北海道大学歯学部を卒業後、恵愛歯科および笠原歯科に勤務。その後、笠原歯科人形町で院長として勤務し、1998年にむろき歯科医院を開業、さらに分院としてふぁみりあ歯科を開業

 

【略歴】

 

【所属団体】

 

たまプラーザ駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科

たまプラーザむろき歯科・矯正歯科

住所:神奈川県横浜市青葉区新石川3-4-18

TEL:045-912-2633

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