医院ブログ
セラミック・銀歯・レジン|歯科医が教える「自分に合う素材」の選び方

「虫歯の治療、どの素材にするか決めてくださいと言われたけれど、よく分からない」
「保険の銀歯と自費のセラミック、何がそんなに違うの?」
治療の際、突然「素材選び」を迫られて戸惑った経験はありませんか?
毎日使うご自身の歯のことですから、見た目はもちろん、耐久性や費用面も気になるところでしょう。
たまプラーザむろき歯科・矯正歯科、院長の室木です。
詰め物や被せ物の素材選びに、万人に共通する「たった一つの正解」はありません。
大切なのは、患者さまご自身が何を優先したいか(見た目の美しさ、長持ち、費用の安さなど)と、お口の中の状況(噛む力の強さ、場所など)を照らし合わせて選ぶことです。
この記事では、代表的な3つの素材(セラミック・銀歯・レジン)の特徴を分かりやすく整理し、それぞれのメリット・デメリット、そして長持ちさせるためのポイントについて、歯科医師の視点で解説します。
目次
- 1. まずは基本を知ろう。3つの素材の特徴
- 2. 「見た目」だけじゃない。経年劣化と変色の真実
- 3. 「強度」の裏側。割れやすさと歯への負担
- 4. 「虫歯の再発」を防ぎやすいのはどれ?
- 5. 体への優しさ(金属アレルギー・生体親和性)
- 6. 歯科医が提案する「部位別」のおすすめ選択
- 7. 長持ちさせる鍵は、素材よりも「技術」と「メンテナンス」
- 8. 院長のこだわり:納得して選んでいただくために
1. まずは基本を知ろう。3つの素材の特徴
【セラミック】美しさと清潔さを兼ね備えた陶器
お皿などの陶器と同じ素材です。天然の歯のような透明感とツヤがあり、変色しません。表面がツルツルしていて汚れ(プラーク)が付きにくいため、虫歯や歯周病の予防にも適しています。自費診療となります。
【銀歯(金属)】丈夫だが目立つ、保険診療の定番
いわゆる「銀歯」で、金銀パラジウム合金などが使われます。非常に丈夫で、薄く作っても割れにくいのが最大の特徴です。保険適用で費用を抑えられますが、見た目が目立つ、金属アレルギーのリスクがあるといったデメリットがあります。
【レジン】手軽に白くできる歯科用プラスチック
小さな虫歯などに使われる白い樹脂素材です。保険適用で、歯を削る量を少なくでき、1回の治療で終わることが多いのがメリットです。ただし、強度が低く、吸水性があるため長期間使うと変色や摩耗が起こりやすいです。
2. 「見た目」だけじゃない。経年劣化と変色の真実
「最初はどれもきれい」ですが、数年後の姿は大きく異なります。
- セラミック: 陶器なので吸水性がなく、何年経っても変色はほとんどありません。タバコのヤニやコーヒーのステインも付きにくいです。
- レジン: プラスチック製のタッパーにカレーの色が移るように、吸水性があるため、数年で黄色く変色したり、ツヤがなくなったりします。
- 銀歯: 金属そのものは変色しませんが、イオンが溶け出して歯や歯ぐきを黒く変色させてしまうこと(メタルタトゥー)があります。
3. 「強度」の裏側。割れやすさと歯への負担
「硬ければ良い」というわけではありません。
- 銀歯: 最も硬くて丈夫ですが、硬すぎるがゆえに、噛み合う反対側の歯を削ってしまったり、強い力がかかった時に自分の歯根が割れてしまったりするリスクがあります。
- セラミック: 天然歯に近い硬さです。昔のセラミックは割れやすいと言われましたが、現在は「ジルコニア」など、人工ダイヤモンドにも使われる高強度の素材が登場しており、奥歯でも安心して使えます。
- レジン: 強度は低く、噛む力が強い奥歯や広範囲の修復には不向きです。摩耗して噛み合わせが変わってしまうこともあります。
4. 「虫歯の再発」を防ぎやすいのはどれ?
治療した歯が再び虫歯になること(二次う蝕)を防ぐには、歯と詰め物の「隙間(適合性)」と「汚れのつきにくさ」が重要です。
この点では、セラミックが最も優秀です。
セラミックは歯と化学的に強固に接着するため隙間ができにくく、表面にプラークが溜まりにくいからです。
銀歯はセメントで合着しているため、長期間の使用でセメントが溶け出し、その隙間から虫歯菌が入り込んで中で虫歯が広がってしまうことがよくあります。
5. 体への優しさ(金属アレルギー・生体親和性)
近年、歯科金属によるアレルギーが問題視されています。口の中の金属イオンが体内に取り込まれ、手足の湿疹や肌荒れの原因になることがあります。
不安な方は、メタルフリー素材(セラミックやレジン)を選ぶことをお勧めします。セラミックは生体親和性が高く、アレルギーの心配がないだけでなく、歯肉との馴染みも良く炎症を起こしにくい素材です。
6. 歯科医が提案する「部位別」のおすすめ選択
- 前歯(目立つ場所): 審美性が最優先されるため、変色せず透明感のあるセラミックが第一選択です。小さな欠け程度ならレジンでもきれいに修復可能です。
- 小臼歯(笑うと見える・中程度の力): 見た目と強度のバランスが必要です。セラミック(インレー・クラウン)が適していますが、噛み合わせによっては強度重視のジルコニアも検討します。
- 大臼歯(見えにくい・強い力): 最も噛む力がかかる場所です。強度重視ならジルコニア(高強度セラミック)や金属(ゴールドや銀歯)が安心です。範囲が広い場合、レジンだけでは強度が持たないことが多いです。
7. 長持ちさせる鍵は、素材よりも「技術」と「メンテナンス」
ここまで素材の違いをお話ししましたが、実は最も大切なのは「誰がどう治療するか」と「治療後のケア」です。
どんなに良い素材を使っても、
- 虫歯の取り残しがある
- 形の精度(適合)が悪い
- 噛み合わせの調整が不十分
- 毎日の歯磨きが適当
これでは、すぐにダメになってしまいます。
当院では、マイクロスコープなどを使って精密に削り、ラバーダム防湿で接着環境を整え、お一人おひとりの噛み合わせに合わせて丁寧に調整します。
そして治療後は、定期的なメンテナンスで「微細な変化」をチェックし、長く快適に使っていただけるようサポートします。
8. 院長のこだわり:納得して選んでいただくために
私たちは、特定の素材(例えば自費のセラミックなど)を無理に勧めることは決してありません。
それぞれの素材のメリット・デメリット、費用、そして患者さまの「こうしたい」というご希望をじっくりとうかがい、「一緒に決める(共同意思決定)」ことを大切にしています。
「とりあえず保険で」と決めてしまう前に、一度それぞれの特徴を知っていただき、ご自身にとって後悔のない選択をしていただければと思います。
たまプラーザむろき歯科・矯正歯科では、相談だけでも歓迎しております。お気軽にお声がけください。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
北海道大学歯学部を卒業後、恵愛歯科および笠原歯科に勤務。その後、笠原歯科人形町で院長として勤務し、1998年にむろき歯科医院を開業、さらに分院としてふぁみりあ歯科を開業
【略歴】
- ・北海道大学歯学部卒業
- ・恵愛歯科(東京都新宿区)勤務
- ・笠原歯科(東京日本橋蔵前本院)勤務
- ・笠原歯科人形町分院長
- ・むろき歯科医院開院
- ・医療法人社団 貴歯会設立 理事長就任
- ・分院 ふぁみりあ歯科開設
- ・北海道大学歯学部関東同窓会 広報理事
【所属団体】
- ・ITI インプラントAuthorization 取得
- ・ITI member
- ・ITIインプラントスペシャリスト認定
- ・日本口腔インプラント学会会員
- ・厚生労働省認可 社団法人日本歯科先端技術研究所会員
- ・同インプラント100 時間コース修了
- ・同インプラントフェロー認定
- ・インプラントスタディーグループ AOS 理事
- ・韓国KyungHee 大学
- ・Adavance surgery course 修了
- ・インビザライン Authorization取得
- ・アチーブメントテクノロジー
- ・スタンダードコース、ダイナミックコース、ダイナミックアドバンスコース、ピークパフォーマンスコース、ボースウィンマネージメント受講
- ・アシスタントプロスピーカー認定
たまプラーザ駅徒歩2分の歯医者・矯正歯科
TEL:045-912-2633
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